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1983年生まれひつじのB。パンがなければ麺を食べます。


by rio325
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泣いた

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後水尾天皇の隠し子が宮本武蔵に剣の手ほどきを受け、武蔵の死後なぜか彼は吉原へ行き、色々あって吉原の惣名主になる……という、斉木さんが素で紹介されてた『吉原御免状』とその続編『かくれさと苦界行』を先日読み終わりました。

『吉原御免状』は、前半いまいちだったけど後半おもしろくなってきて、勝山っていう太夫の最期は惨くて悲しくて泣いた(´;ω;`)

それでもまあ終わり方は清々しかったから救われたけど…。


『かくれさと苦界行』は、人間模様も濃くなってきて“お館様”とかいう、思わず「ちょwwwおまwwwww(^ω^;)」って言いたくなるような剛力な巨人キャラが出てきたりして楽しいんですが、最後がもうとにかく悲しくて悲しくて(´;ω;`)

まさかあの人が死ぬなんて(´;ω;`)
誠一郎(主人公)と一緒に泣いた泣いた(´;ω;`)




『一夢庵風流記』とこの二冊を読んだ時点での隆慶一郎作品への感想は、共通して主人公がよく笑いよく泣くなあ、っていうこと。

めちゃ強い無敵ヒーローなんだけど、柴錬の眠狂四郎みたいに孤独でニヒルであんま笑わなくて常に暗い影を背負ってる…っていうのとは対局にある感じ。

柴錬のヒーローが「陰」なら隆慶一郎のヒーローは「陽」だな、と思った。

素直で屈託がなくて、楽しい時は満面の笑みで笑って喜び、悲しいときは人目もはばからず号泣する。
そんな人間味あふれる純粋な(誠一郎なんか純粋すぎてしょっちゅう傷ついてる)ヒーロー。

もちろん眠狂四郎は私の中で殿堂入りの最強剣士だけど、隆慶一郎の描く前田慶次郎や、この誠一郎みたいな剣士は、すごくいとおしくて、いいなぁ(*´∀`*)と思う。
読みながら一緒に泣いたり笑ったりできる。
そこまで読者を引き込む力が、隆慶一郎の文章や、その作り出す人物達にはあるよね。



こんな素晴らしい作家が居たなんて、斉木さんに教えてもらわなかったら気づかなかった。斉木さんにほんと感謝です(*´∀`*)

斉木さんは次は『影武者徳川家康』にいかれるそうだけど…私はどうにも誠一郎シリーズの余韻から抜けきれないから…『花と火の帝』(後水尾天皇の話)いこうと思います(´・ω・`)
『影武者徳川家康』読みかけたんだけど、どうも進まなくて(´Д`;)



それにしても、つくづく隆慶一郎氏が亡くなってしまったことが残念でなりません。
誠一郎シリーズ全部読みたかったし、未完作品もいっぱいあって気になる(´;ω;`)

なんでこんな偉大な人を、その人生をかけた大仕事の真っ最中に連れてくかな神様は。ひどいよね。

…って、神様なんてそう信じてないのに、思わずにいられない今日この頃です。



by rio325 | 2008-08-04 23:49 |